『金色のコルダ』ステラ・ミュージカル 制作記者発表会レポート

ネオロマンス・シリーズ第3弾作品として誕生した『金色のコルダ』。恋愛ゲームからスタートしたこのシリーズは、過去にコミック化やアニメ化になることで、たくさんの人からの支持を得続けてきた。その『金色のコルダ』が、ついにミュージカルとして姿を現すことが決定した。

「ネオロマンス♡ステージ　金色のコルダ　ステラ・ミュージカル」
2010年3月19日（金）～3月24日（水）
天王洲 銀河劇場
SS席 8,800円／S席 7,800円／A席 5,800円／ファミリーシート（ペア） 6,000円
プレイガイド先行発売 1月26日～31日
一般発売 2月6日～

『金色のコルダ』待望のミュージカル化の決定を受け、1月16日に都内で、「『金色のコルダ』ステラ・ミュージカル制作記者発表会」が行われた。
この日出演したのは、前田三郎プロデューサーを筆頭に、脚本・演出を担当するカニリカ氏。そして出演者からは、岡本あずさ（日野香穂子役）、三上俊（月森蓮役）、高橋優太（土浦梁太郎役）、川村聖斗（柚木梓馬役）、吉野晃一（火原和樹役）、小関裕太（志水桂一役）、吉原シュート（王崎信武役）、堀内まり菜・山内亜美（妖精リリ役／Wキャスト）、進藤学（金澤紘人役）と豪華な面々が参加。

ミュージカル『金色のコルダ』のテーマに据えられているのが、「学園恋愛物であること」「クラシックを題材にしていること」「がんばっていくことでどんどん輝いていこと」。プロデューサーの前田三郎氏も、同ミュージカルに対し「作品そのものが持っている性質である“いつの日も失ってはいけないもの”“いつの時代にも失われてはいけないもの”“人を大切にする”“人をいつくしむ気持ち”をミュージカルのテーマとして制作をしていきます」と語っていたよう、そこが大きな見どころの一つになっていきそうだ。
今回、村松崇継氏の手がける音楽も、ほぼ新曲で固めているのはもちろん、キャスト陣もフレッシュな新人ばかり。
そんなキャスト陣の魅力を、脚本・演出を担当しているカニリカさんナビゲートのもと、本人のコメントを通し紹介しよう。まずは、カニリカさんのコメントから。。。

カニリカ「『金色のコルダ』は非常に人気のあるゲームですから、オリジナルの世界観を壊さずに、いかに舞台版／ミュージカル版を作るかをまずは考えました。なので全キャストをオーディションで選びました。オリジナルキャラクターが持っている雰囲気に近い人、すごく似ている人を選んだり、意外にこの人がこの役をやると面白いんじゃないかという観点で全キャストを選んでいます。もちろん、イケメンを厳しく選んだつもりです。舞台版にしか出てこないオリジナル・キャラクターも数名作りました。そこも楽しみにしてください」

ここからは、この日の記者会見に登場した役者陣たちのコメントを紹介していこう。

●月森蓮役・三上俊（専攻楽器はヴァイオリン、音楽一家出身のクールな完璧主義者で、卓越した技術力を持つ男性）

カニリカ「月森はクールなツンデレ。透明感もあるんですけど、貴賓が無ければいけない。三上くんは、オーディション会場へ入ってきた瞬間「月森がきた」と思わず言葉が浮かぶほどイメージがピッタリだったので、彼に決まりました。ぜひ、歌で観客を泣かせて欲しいと思っています。」
三上「普段僕が芝居として演じているのは柔らかい役が多いので、間違いなく新しい役になる挑戦だと思っています。原作の世界観を大事に、みんなで一丸となってコルダの世界観を作りあげ、その中で輝いていきたいと思っています。」

●土浦梁太郎役・高橋優太（サッカー部員で、じつはピアノの名手。普通科の生徒でもある）

カニリカ「土浦梁太郎はスポーツマンで爽やかでフレンドリーで、兄貴という雰囲気の生徒。高橋くんは会えば会うほど土浦くんそっくりだと思ってしまう子なんです。ちょっとおっちょこちょいなところもありつつ、非常に爽やかなスポーツマンな部分が、とくに土浦梁太郎と似ていると思います」
高橋「土浦梁太郎は、僕の中で“男らしい男”というイメージがあるんですけど、僕自身は草食系男子だと思われることが多いので、ちょっと男らしさというものを研究し、“男気あふれる男”になりたいと思います。また土浦梁太郎は普通科の生徒なので、音楽家に対する熱い想いも表現できたらなと思います」

●柚木梓馬役・川村聖斗（専攻楽器はフルート。容姿端麗成績優秀、家柄も良く物腰穏やかな完璧な優等生）

カニリカ「柚木梓馬は紫色の髪の毛なんですが、川村くんは紫色の髪の毛も似合うミステリアスな感じがあって、非常にピッタリだと思います。オーディションでも、歌を唄ったときにミステリアスな雰囲気で審査員のハートをつかんだ人でした」
川村「今回のミュージカルが僕にとっては初めての舞台経験。柚木梓馬の、“音楽に対する気持ちはすごくあるのに、家のことで閉じ込めてしまう気持ち”を上手く表現出来たらいいなと思っています」

●火原和樹役・吉野晃一（専攻楽器はトランペット。元気いっぱいで楽しいことが大好き。人懐っこいタイプ）

カニリカ「火原和樹は、非常に天真爛漫で明るくて楽天家。吉野くんもまた、オーディションで非常に茶目っ気ぶりを発揮。審査員みんなが笑ってしまうほど、ものすごく明るくさせてくれる感じの子だったんですね。そこがピッタリだなということで決めました」
吉野「ミュージカルへの出演は初めてのよう、本当に素人なので、みなさんの迷惑にならないように。本当に火原和樹になれるよう、がんばります」

●志水桂一役・小関裕太（専攻楽器はチェロ。マイペースで一人音楽の世界に浸っていることが多い男）

カニリカ「志水桂一は音楽がすごく大好きで、とても愛してるんですけど、いつもホワ～ンとしている、不思議ちゃんという感じなんですね。そういう意味で言うと、小関くんも不思議ちゃんなところがあるので、ピッタリかなと思って選びました」
小関「原作のDVDを観させていただいて、志水桂一と僕の共通点が多いなということに気づきました。音楽や昼寝が好きなところとか、そういう共通点を活かしつつ、みんなが楽しめる役にしたいと思います」

●王崎信武役・吉原シュート（音楽家のOBで、穏やかで優しく面倒見もよい。香穂子のヴァイオリンの指導も引き受けている）

カニリカ「コンクールの生徒たちを暖かく見守ってる優しい先輩というのが、王崎信武なんです。シュートくんにも、非常に虫も殺さないような癒し系の優しさがあるなと思いまして、選びました。彼は、どことなく大人の色気もあるんですね。だから生徒ではないなということで、王崎信武役にしました」
吉原「王崎信武は、優しくてあったかい方なんです。普段の僕もおおらかなほうなんですが、王崎信武も虫も殺さないような人のよう、ものすごく優しい気持ちの人。今回が僕にとって初めての舞台ですので、すごく緊張していますが、みなさまの足を引っ張らないようがんばります」

●金澤紘人役・進藤学（コンクール担当教師。やる気なさげで、面倒なことを避けている様子）

カニリカ「金澤紘人は、いつも面倒くさそうでやる気無さそうな人。「この人しかないな」と審査員満場一致となった進藤くんはですね。本当は熱いものを持っているんですけど、やっぱり普段、いい感じでいい加減なんですよ。そこがすごくピッタリだと思いました。後輩の俳優たちの面倒見もよいですし、「この人しかいないんじゃないか」というのが、我々の共通した意見でした」
進藤「このお話を最初にいただいたときは、「やったぞ、まだこんな僕でも学生役が出来るんだ！」と思った矢先に、先生役だと言うことで、「なるほど、そういうことか」と思ったんですけど。やる気なさげな金澤紘人という音楽教師を、有り余るやる気とともに取り組んでいこうと思っています」

●日野香穂子役・岡本あずさ（音楽にはど素人だったはずが、魔法のヴァイオリンを手にし、音楽コンクールに出場することになったヒロイン）

カニリカ「日野香穂子はですね、音楽をまったく知らないど素人だったのが、素晴らしい仲間と素晴らしい音楽に出合うことによって成長していく女の子。無色透明で色のついてない人と選ぶ中、岡本さんと会ったときに、すごくピュアで透明感があって「非常にいいな」ということから選びました」
岡本「わたしは中学の頃に学校で吹奏楽部に入ってまして、部活を通してすごく音楽を好きになりました。なので、今回出演が決まったときはホントに嬉しかったんです。たくさんのコルダのファンの方々の期待に応えられるよう、精一杯がんばります」

●妖精リリ役・堀内まり菜／山内亜美（Wキャスト）（みんなが音楽で幸せになることを願っている吹奏楽園に住んでいる妖精）

カニリカ「リリはみかけは小っちゃいんですけど、非常に大人なんですね。だから、憎めないけど可愛らしさもなきゃいけない。まり菜ちゃんはオーディションのときに、どの俳優よりも一番落ち着いてて、ダンスも歌も見事でした」
堀内「舞台は初めてだから緊張するけど、自分なりにがんばりたいと思います」
カニリカ「亜美ちゃんは、オーディションで『崖の上のポニョ』を歌って、審査員のハートをわしづかみにした子でした」
山内「わたしは、よく友達のミュージカルを観に行っていて、すごく憧れていたので、すごく嬉しかったです」

以上のコメントにも触れつつ、ぜひミュージカルへ足を運び、その感動を味わっていただきたい。

TEXT：長澤智典