アニメ背景美術のプロが、新作DVD「誰でも描ける風景スケッチ９つのコツ」をリリース！

DVD「誰でも描ける風景スケッチ９つのコツ」
2010年12月15日 DVD-BOX発売
ジブリ作品に代表されるアニメーションの美しい風景画。 その手法をアニメーション美術家・増山修が、わかりやすくレクチャー。 忙しい日常から解放されて旅先で出会う風景は、誰もが記憶にとどめたいと思うものです。カメラやビデオで簡単に記録が残せる時代ですが、スケッチで風景に向き合うと、ゆったりとその場所を味わう事が出来ます。 今回はアニメの背景美術の技法を参考に≪スケッチ≫をします。アニメの背景美術とは、人物や乗り物などアニメの動く部分の背景を形作る風景画の事を言い、作品の世界観を決める重要なセクションです。そこでは、「スタッフ皆のレベルを合わせる為に、自然をそれらしくリアルに描く為の具体的な技法が沢山蓄積されている」のです。 このDVDでは、その技法の中から、初心者にも簡単に会得出来る「９つのコツ」を紹介、ガッシュ絵の具（丌透明水彩絵の具）による風景スケッチを通してレクチャーしていきます。

DISC-1 《空を描く》《水を描く》《樹を描く》＋特典映像「増山修ギャラリー」
DISC-2 《大地を描く》《山を描く》《街並みを描く》
DISC-3 《日本の伝統的な家を描く》《室内を描く》《写真を見て描く》
収録１９２分（各巻６４分×３枚組）＋特典映像５分

＜講師＞ 増山 修
1974年生まれ。スタジオジブリに入社後「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「崖の上のポニョ」「ゲド戦記」など多くのアニメ作品の背景美術として参加。その後独立し、「時をかける少女」「東のエデン」など近年の話題作にも関わる。現在も、押井守監督の新作アニメ映画の美術監督を務めるなど、第一線で活躍中。
＜声＞キートン山田 ＜出演＞モト冬樹、中島史恵
＜タイトル＞ 誰でも描ける風景スケッチ９つのコツ
〜アニメ作品のテクニックに学ぶ〜ＤＶＤ-ＢＯＸ
＜価格＞ \11,025（税込み） ＜品番＞PCBE-53607
＜発行＞NHKエンタープライズ ＜販売元＞ポニーキャニオン

DISC-1 《空を描く》《水を描く》《樹を描く》
■《空を描く》
澄み切った青空は何処からでも見る事が出来る身近なスケッチの題材です。御嶽山の展望台から鮮やかな青空と白い雲を描きます。空の明るさや色の微妙な変化も、絵の具が乾く前に表面に刷毛をかけるというアニメーション美術ならではの技法を使うと、簡単に描く事が出来ます。雲を自然に描くためのコツと共に、魅力的な空の描き方をご紹介します。
■《水を描く》
「水の色＝水色」ではありません。透明な水は、透けて見える水の奥の色と、水面に映り込むものの色で出来ています。空を描く時に使った、刷毛で絵の具を馴染ませる技法は、水の動きを表現する時にもおおいに役立ちます。波の有無などでも見え方が変わるので、多摩川の上流の川の流れを観察して、その状態ごとに描き分けます。
■《樹を描く》
木は、絵の題材として非常にポピュラーですが、形が複雑な為か苦手な人が多いようです。一見丌規則な形に見える木にも、実は幹の伸び方や葉の付き方に法則があります。その法則を理解したうえで描く事によって、公園の木を自然な姿で美しくスケッチしていきます。

DISC-2 《大地を描く》《山を描く》《街並みを描く》
■《大地を描く》
平らに広がっていてポイントになるものが無いように見える大地は、距離感の表現が難しく、薄っぺらに描いてしまいがちです。しかし、大地をブロックに分けてイメージする事で、絵に空間的な広がりを出す事が出来ます。草むらと土の地面でレッスンします。
■《山を描く》
美しく雄大な山の連なりのスケール感を表現するには、山と山の距離感の差をはっきりと描く事が大切です。その為のコツが空気遠近法です。遠くなるほど青く薄く描いていく事によって、山の距離感を表現して、雄大な広島県の山脈を描きます。
■《街並みを描く》
スケッチの題材として人気があるのは、自然の風景や美しい建物などでしょう。しかし、いつも見ている近所の街並みも、パースを意識して遠近感や立体感などを表現できれば、魅力的な作品に仕上げる事が出来ます。パースを意識して、吉祥寺の街並みを魅力的に描きます。

DISC-3 《日本の伝統的な家を描く》《室内を描く》《写真を見て描く》
■《日本の伝統的な家を描く》
様々な形の屋根瓦や味わい深い木の壁は、日本の伝統的建物ならではの魅力があります。今回は広島県鞆の浦に残る古い家並みを高台から見下ろしながら描いてみました。しかし、丌規則な角度で屋根が並んでいるため、パースを取って遠近感をつける事が難しい・・・そんな時は、屋根瓦の描写がポイントです。手前の屋根の描写は細かく書き込み、そこから段階的に屋根瓦の描写を減らしていく事によって遠近感を表現して、味わい深い鞆の浦の家並みを描きます。
■《室内を描く》
スケッチ旅行で訪れた風景だけでなく、訪れた宿の部屋のスケッチなんていうのも、また一つの思い出になっていいのでは無いでしょうか？アニメーションの世界では、登場人物の生活感を出す場等で多くの室内が描かれています。基本的に、部屋の隅や天井に近づく程暗くなっていきます。見た目の印象よりも明暗を強調して描くことが空間を感じさせる部屋を表現するコツです。
■《写真を見て描く》
手元が暗くなってしまう夜の野外や一瞬のタイミングが命の夕焼けなど、その場で描くのが難しい風景は、写真に撮っておいてそれを見ながらその時の風景を再現する事で、思い出を味わい深く楽しむ事が出来ます。しかし、肉眼で見た時のイメージとプリントされた写真とでは、全く違う印象のものになる事が良く有ります。写真から絵を描きおこす時は、写真の色にとらわれず、自分の目で見て感じた印象を再現する事がコツです。自分の目はレンズよりも思い出をよく見ているのです。