自民党ガンダム開発計画」と題したプログラムが行われた。

6月28日（木）、ニコニコ生放送番組『CafeSta1周年記念“12時間ぶっ続けまるナマ自民党”』が放送され、その中で「本気で考える自民党ガンダム開発計画」と題したプログラムが行われた。出席したのは自民党の丹羽秀樹議員、平将明議員と、『機動戦士ガンダムUC』や『亡国のイージス』の著者である小説家・福井晴敏氏。ガンダムオタクとしても知られる3名によるトークはどんどん暴走し、中にはガンダムの世界観と政治の世界を対比して「派閥にとらわれている政治家はオールドタイプ」といった爆弾発言も飛び出した。

　トークでは、福井氏が「ガンダムを作って何をするのか」という根本的な疑問に言及。ガンダムの構造について「人型ロボットは兵器として役に立たない」と疑問を投げかけると、これに平議員は「二本足では不整地が歩けない。今後ロボットが日本の経済を引っ張る産業になるには、観光資源として活用すべき。お台場に1/1ガンダムが立ったとき、たくさんの人が集まった。
あのガンダムが2歩でも3歩でも歩いたらすごいこと。ガンダムは人を集めることができる」と、観光から経済活性化につなげる可能性に期待を寄せた。

　また、インターネットで今回のガンダム開発計画が批判された点については、前述の「ガンダムを観光資源として経済を活性化する」という考えをベースに、「ガンダムはロボットのシンボル。皆が共有できて熱い気持ちを持てるということは重要」とし、「税金を投入するのではなく、民間のインセンティブを引き出す。ロボットを作ろうぜと言うよりも、ガンダムを歩かせようぜと言う方が響く」と持論を展開した。

　続いてガンダムの軍事転用の可能性については、まず福井氏が「アニメだとミノフスキー粒子があるから成立するが、普通に（ガンダムで戦争を）やると、ボコボコにされるでしょう。今は地球の裏側からだってミサイルで狙われる」と述べ、それ故にガンダムのように前線に出て戦う兵器はこの10年であまり進歩しなかったと解説した。

　これを受けて平議員は、「軍事的には衛星で基地を把握してからミサイルで潰し、その後陸軍で制圧していく。この制圧のリスクが高い。リスクをなくすなら（ロボットを）リモートコントロールするのがいいが、そうなると
戦争をするのに片方がロボット、片方が人間となって、バカバカしいから戦争に対する人間の感覚も変わりそう」と述べた。

　ここからはトークも後半に入り、さらにマニアック度を増していく。

　ガンダムの魅力について尋ねられた3名は、「ガンダムは自然環境に対して最初に目を向けた番組だったのでは（丹羽議員）」「劇中ではガンダムは兵器だけど、それを取っ払えば我々が世の中を見る一助になっている。人生の見方を教わった（福井氏）」「ガンダム前後でリアリティはぜんぜん違う。
たとえば仮面ライダーもウルトラマンも敵が一体しか出てこないが、戦力の逐次投入は一番やってはいけないこと。ガンダムは総力戦でやっている（平議員）」と、それぞれの思いを熱弁。

　さらに平議員は、「ジオン軍は技術にこだわって、ゲルググだなんだと新しいモデルでいってしまう。そこに走りたい気持ちはわかるが、それではダメ。日本の携帯電話もそう」と、日本の携帯電話産業をジオン公国に
例えて痛烈に批判した。

　また、平議員はガンダムと政治の世界を対比して、「ニュータイプとオールドタイプの対立は世界の世界でも感じる。僕はニュータイプで、派閥という重力から解き放たれていない丹羽さんみたいな人はオールドタイプ」とチクリ。これに丹羽議員は「意外と当たっている」と苦笑しながらも、「平先生は自民党だけど今までとは違う圏外にいる。だから造反しちゃったりね」とやり返し、お互いに「取り消します！」と前言を撤回して視聴者の笑いを誘っていた。

　最後に福井氏は、自身の作品である『機動戦士ガンダムUC』について、「『機動戦士ガンダムUC』は若い世代もそうですが、僕らくらいの40代の世代が見てくれている。この世代向けの商品はなかなかなくて、昔から10代20代にしかスポットを当てない。だけど人口が減少しているのだから、そこに向けて量産してもダメ。もちろん10代向けのガンダムを作る必要はあるが、40代の男性向けの市場はけっこう大きい」と分析し、観光資源としてのガンダム開発に改めて賛意を表した。


【番組名】CafeSta 開局 1 周年記念 12 時間ぶっ続け、まるナマ自民党

【日　時】2012年6月28日（木）11時30分～24時

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