SPLAY、2ndアルバム『AFTER THE MELODY ENDS』用公式インタヴュー・1
大人気アニメ「家庭教師ヒットマン REBORN!」のエンディングテーマ『Echoagain』を担当したと共に、キャラソンとして大ヒット、オリコン最高7位を記録した『Sakura addiction』を提供したバンド『SPLAY』が1月30日(水)にこの2曲を含む2ndアルバムをリリースしました。しかも『Sakura addiction』はセルフカヴァーヴァージョンということで注目が集まるこのアルバムですが、そのSPLAYのオフィシャル・インタビューを以下にお送りいたします。 "詩的"さを活かしながらも、自分のリアルな感情を吐き出すことに終始したアルバム。それが『AFTER THE MELODY ENDS』 -----2ndアルバム『AFTER THE MELODY ENDS』を作り始める前の07年前半期。メンバーの心の中へ、いろんな心境変化させゆく渦が巻き起こっていたと聴きました。 向井 きっと、プロなら誰もが経験することなんだろうけど。デビューしたことから、バンドを取り巻く環境にいろんな変化が訪れました。その波に身を預けながら、1年ほど演ってきた頃、「なんで自分たちは音楽を演っているのか?!」「自分が演っている音楽は、今どういう風に世の中へ伝わっているのか?!」「自分たちが演りたいと思ってる音楽性とは一体何なのか?!」という、バンド自体の根本へ問いかける想いをいろいろ見直す機会が増えていったんです。迷いや葛藤を心に覚えていたからこそ、あらためて自分自身の気持ちに問いかけ続けていたんです。そこでもう一度「自分の表現したい音楽」を根本から見直したうえで制作したのが、4枚目のシングル『瞳』。その楽曲を作りあげたことで、もう一度SPLAYとしてしっかり表現したい音楽性という姿へ着地することができたことは、とても大きかったですね。 -----迷いや葛藤を覚えていたのは、自分たちの気持ちとは違う形で楽曲が受け止められたり、世の中へ浸透していくことに対する不安から生まれたものなんですか? 向井 自分たちが「こうだ」と思って出した想いが、違った形で届いたり。自分たちの中ではストレートに出したつもりが、屈折して伝わったり。ときにはそれが悪い意味にとらわれてしまうことも、確かにありました。もちろん、自分らの想いを全部思うがまま伝わるようコントロールしたいわけじゃなくて。でも「自分たちの思っている感情が、もっと"そのままの気持ち"として伝わっていけばいいな」という葛藤があったのも事実。だからこそ、「もっとシンプルに想いを伝えよう」という術に、気持ちが変わっていったんだと思います。 -----2ndアルバム『AFTER THE MELODY ENDS』に収録した楽曲たちは、どれも「伝えたい想いを、とてもシンプルに表現」しています。 向井 歌詞を書く際に、比喩の上手さや表現上のテクニックにこだわるんじゃなく、ある程度"詩的"さを持ちながらも、自分のリアルな感情を吐き出すことに終始していきました。実際そのほうが、聴く側も感情を重ねあわせやすいかなとも思って。 書きたい想いが似合うメロディや曲調を色付けながら完成した楽曲たち。 -----アルバムの冒頭を飾ったのは、バラード・ナンバー『冬の空』でした。 向井 いきなりバラードから始まるアルバムというのも。まして、ロック・バンドでその形態を取るのって珍しいと思うんです。この作品を制作するに当たり、まず"バンドという括り"はできるだけ排除していきました。じゃあ何を求めたかと言うと、「楽曲の良質さ」や「聴いた後の余韻」なんですよ。アルバムにメリハリを付けるため緩急いろんな楽曲を詰め込むのではなく、ただただ素直に「良い歌を1曲1曲入れていく」それが、結果的に良いアルバムになると思ったし。良い曲であれば、始まり方がどうであれ絶対に伝わっていくし、心に残っていくと思っていました。 -----制作上の特徴の一つとして印象深く感じたのが、"詩先行"で楽曲を作ったことでした。 向井 まずは、"書きたい想い"が先にあったんです。ならばそれを詩にしたうえで、その詩が似合うメロディや音の色付けをしていこうと判断して。だからどの曲も、「この歌の伴奏はピアノがいいんじゃない?!」「この歌にはストリングスが似合う」など、バンドという枠を取り払った形での楽曲制作を行っていきました。 東 向井の書いた詩を読んだ時点で、みんなの中にも「言葉が呼ぶ音」がいろいろと見えてきたんですよ。全員幼なじみであり、長年同じ時間を過ごしてきた理由もあるのか、それぞれの曲ごとみんなが同じ着地点をしっかり見据えていくこともできました。その描きたい完成図を共有していけたことは、制作をスムーズにしてくうえでもプラスになったと思います。 園木 収録した楽曲によっては、ヴォイオリンをフィーチャーしたり、打ち込みを入れたりなど、いろんな形態を持っています。それだってすべて、「曲が呼んだ音」によって導き出された成果。思うんですけど、「良いアルバム」というのは、けっして完璧なものではなくて。良い意味で隙のある作品にこそ、身近な良質さを覚えるもの。そう思うのも自分らも含め、誰だって完璧じゃないし。そういう人たちが音を奏で、その音を聴いてるからだと思うんです。 道本 4thシングル『瞳』を作る時点で、全員で「SPLAYとは??」という姿をあらためて見直せたことは、すごく大きかったです。それによってバンド内での制作環境も以前以上に良くなったし。その空気感もしっかり出たんじゃないかな。 アルバムでは、名プロデューサー陣とコラボレート! -----『瞳』という楽曲を生み出したことは、とても大きな成長をバンド内へ与えたんですね。 向井 じつはアニメ「家庭教師ヒットマン REBORN!」のエンディングテーマに起用した『Echo again』を生み出したときに、1stアルバム『FAREWELL MORNING LIGHT』頃までに培ってきたSPLAYの音楽性やスタイルへ、一つの決着を付けた手応えを感じていたんですよ。だからこそ、「次はどうしよう」とも想い悩んでいました。そこから「書きたい想いを曲にする」ということで、歌詞先行というスタイルに挑戦。しかも書いた詩を活かすメロディやサウンドを導き出すことによって、楽曲として伝えたい輪郭が今まで以上に明瞭になっていきました。その成果を最初に導き出したのが、4thシングルにもなった『瞳』。それは、『瞳』のC/Wに収録した『ソングブック』にしてもそうで。この2曲を生み出したことが、アルバム『AFTER THE MELODY ENDS』制作に向かう上で、いい弾みをつけてくれたと思っています。 -----アルバムには、アンジェラ・アキやSuperfly等を手がけている松岡モトキさん。Charaやhitomiらの楽曲に携わってきた渡辺善太郎さんと、2人のプロデューサーも参加しています。 向井 善太郎さんは、とてもアーティスト寄りな視点で刺激を交わしあいながら、僕らの楽曲と向きあってくれた方。対して松岡さんは、バンドの持つ弱点さえそのまま良い方向へ導いてくれた、まさにプロデューサータイプの人。そんなすごいプロデューサー陣と演れたことも大きな成果でした。それと、『ワンモアタイム』というディスコ調ナンバーでは、水江洋一郎(YOKAN)さんにアレンジをお願いしたんですけど、あえて古い感じのディスコ風に仕上げてくださった点も、僕ら的にはすごく新鮮でした。 「家庭教師ヒットマン REBORN!」×SPLAY=?? -----アニメ「家庭教師ヒットマン REBORN!」を通し、SPLAYの名前を知った方も多いと思います。この作品にSPLAYは、『Echo again』と『Sakura addiction』の2曲を提供しました。 向井 『Sakura addiction』は、~~続く。 TEXT:長澤智典 2008.01.30 Release SPLAY 2nd Album AFTER THE MELODY ENDS ポニーキャニオン PCCA.02601/¥2,940(税抜価格¥2,800) 1.冬の空 2.Farewell morning light 3.Echo again 4.そらにうたう 5.レインコート 6.ぼくはまだ夜の中 7.瞳 8.Star blues 9.まぼろし 10.ワンモアタイム 11.Sakura addiction 12.ソングブック(Album version) SPLAY 家庭教師ヒットマンREBORN!
by ex_anime
| 2008-01-30 09:43
| インタビュー
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