『夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~』松尾監督公式ロングインタビュー前篇
![]() 松尾監督:とても簡単で制作会社のノーマッドから「アニメ化するんだけど、どう?」って原作の単行本の1巻と、一緒に数ページの企画書をもらったのが最初です。 ――原作の単行本をお読みになっての印象はいかがでしたか? 松尾監督:それまで原作は未見だったのですが、非常に“スカッとさっぱりしているな”と思いました。今まで自分が監督してきたタイトルは濃い内容のものが多かったんですよね。次はライトな内容のもの、観ていて重い感じにならない、スカッとするものを作りたいなと思っていたところだったので、ちょうどよかったなという感じです。 ――そうなると監督としては制作意欲が沸きますね 松尾監督:実は今までライトな作風というものに苦手意識を感じていたところがあったんです。例えばストーリーを積み重ねていく、キャラクターの性格を少しづつ見せていくっていうことは、やればやるほど、作っている側は安心しますし、その作り方に慣れていたんですね。そういった部分を端折った“底抜けに明るくていいでしょ?”というものに対して、今回はチャレンジをしようという感じです。 ――監督自身にとっては新たなチャレンジという位置づけなんですね 松尾監督:アニメではわりと当たり前にある手法だと思うんですけど、今までアニメのそういった部分には触れてこないようにしてきたので、アニメーションとかマンガの持つ独特の“手軽さ”みたいなものを、自分としては初めて描く感じですね。 ――確かに監督のこれまでの作品に比べると、スピード感のあるテイストの原作ですが、原作を読んだ段階で、どうアニメ化しようとお考えになりましたか? 松尾監督:ストーリーを掘り下げていくことよりも、見た目のスピード感だったりとか、単行本の2巻、3巻で描かれる戦いのシーンなどのケレン味を見せていこうと思いました。一番最初の『ローゼンメイデン』は、僕の中ではライトな部類に入っていたりするんですけど、それよりもライトに、キャラクターの心理描写も、起きた物事にどう対処するかっていう部分を普段の生活の延長で描けるんじゃないかと思いました。 ――ではアニメ版はスピード感あるアクションシーンの多い作品になると考えていいのでしょうか? 松尾監督:そうですね。アクションシーンだけでなく日常生活のシーンも、畳みかけるような会話劇などをやるんじゃなく、非常にゆったりしたものになるんじゃないかなと思います。 ――気軽に楽しんで観られる作品になりそうですね 松尾監督:そうやって観てもらえるといいなと思います。一応バックグラウンドとして“こういう歴史があって、だから戦うんだよ”というのはあるんですが、あまりそこは気にしないで観てもらったほうがいいんじゃないかなと。メインのキャラクターたちがどういう生活をしていて、どうやって戦っているのかという部分を追って観てもらえればと思います。 ――舞台やキャラクターが個々に大きなバッググラウンドを持っている原作ですが、1クールの中でどう描きますか? 松尾監督:実はアニメ版では物語をシンプルな作りにするためにバッググラウンドを整理しようと考えました。例えば比泉の家はどういう家で…とか、ヒメの家はこうで…とか、個々に説明しなきゃいけないことがたくさん増えてしまうのを、なるべくまとめようというのが最初にあり、「そんなことをやったら卑怯じゃないか」って思うかもしれませんが、1話で“この町はこうやってできました”というのを描いちゃいました(笑)。町を守りたい人と、町を壊して自分たちの住みやすいようにしたい人との、シンプルな戦いの構図を見せるために、町の成り立ち、物語のステージの説明を先にしたんです。 ――今「シンプルな作り」とおっしゃいましたが、アニメ版の方がキャラクター同士の関係性などもよりシンプルになるのですか? 松尾監督:人物の敵対関係などはマンガでもそんなに複雑ではないので、メインキャラクターにフォーカスしようと、アニメでは登場人物を若干絞っているだけですね。基本的には“メインキャラクターと妖怪との戦い”、これだけです。毎回、妖怪が出てきて戦っていく中で、各話ごとにスポットがあたるキャラクターが変わるという展開が続きます。そして物語全体のラインとして、“この町が危機で、最後に町全体に危機が及んだ時に、キャラクターたちが力を合わせて戦います”という話になります。 ――話が前後しますがアニメ化するにあたって、原作のどこを変え、どこはそのまま生かそうと思いましたか? 松尾監督:アニメでは“元老院”という存在があって、彼らが町を守っていて、妖怪が住みやすくするために七郷って桜を植えた、というバックグラウンドがあるのですが、そもそも原作には元老院って存在はないんですね。アニメでは元老院を設定して、彼らが桜と直結していて倒れちゃうとこの町がダメになっちゃう、だから桜の樹を守る、っていう話にしたんです。桜の樹が妖怪に支配されてしまわないようにするためにヒメたちが戦い、妖怪たちの大きなボスとして“円神(えんじん)”というのがいるというのが、アニメの主軸ですね。 ――原作とアニメでは、メインキャラクターたちの立ち位置や力関係など、物語の中でのバランスは変更されているんでしょうか? 松尾監督:そんなに変わらないと思いますね。キャラクターの性格などは基本的には原作のままです。原作でも各キャラクターにスポットをあてた話があるので、それをアニメの時系列に合わせて、コミックスの3巻までの中からいくつか使わせていただいてますが、基本は変わってないです。 ![]() 彩の町・桜真町を舞台に巻き起こる幻桜奇譚 ![]() 夜の桜真町の続発する奇怪な事件 それに立ち向かうは、『比泉(ひいずみ)生活相談事務所』の面々 新感覚ハートフル・アクション、いよいよ開幕!! ![]() 2007年より「月刊少年シリウス」(講談社刊)で好評連載中のNO.1ツンヘコ(?)コミック。コミックスとして4巻で50万部を突破した作品。アニメーション制作はあの「ローゼンメイデンシリーズ」を作り出した制作スタッフ陣。TBSアニメフェスタ2008メインビジュアルに抜擢された、人間と妖怪という個性豊かなキャラクターたちが織り成すアクションミステリー超大作。 ![]() 妖たちの跋扈する桜並木の町・桜真町は人間と人外の力を得た者が共存している。ただ人間は「自分たちと違う存在」として溶解を見ており、彼らを迫害することが多く、妖怪は人間の前ではその素性を明かにすることはなく、密かに暮らしてきた。そこで主人公秋名の祖父が仲間と共に作ったのが「七郷」と呼ばれる桜。七郷には強力な妖力があり、妖怪たちの「力」を安定させる力がある。この七郷に守られた町は桜真町と名付けられ、世界で唯一、妖怪によって町の運営が成される町として誕生。以降、妖怪と人間が共存出来る安住の町として秋名の祖父の世代から発展を続けてきた。 しかし、この物語が進み出す二年前、事態は一変する…。 ![]() この物語が始まる二年前の十月。街を守る七郷の一本が突然枯れ果ててしまう。 人に強力な憎しみを持つ「円神」が造反したのであった。円神は妖力を使って、七郷の桜を咲かし、「妖の世界」と「人の世界」に歪みをもたらそうとしていた。 これを防ぐべく、立ち上がったのが秋名、ヒメ、ギン、恭助の4人であった。 4人は円神を追い詰めながらも、円神にギンの体をのっとられてしまう。円神をギンごと「妖怪の世界」に送ろうとする秋名だが、最後の最後で力を緩めてしまう。これによって、円神はギンの体ごと逃亡し、向こうの世界へ封じ込めることに失敗してしまう。 それから二年。秋名によって力を奪われた円神だったが、力を蓄えて再び桜真町を襲おうとしている。 物語はこうして始まる。 ![]() ![]() 原作 ◆ヤスダスズヒト 【月刊シリウス(講談社刊)連載中】【神様家族:イラスト】 (C)ヤスダスズヒト/講談社 監督 ◆松尾 衡 【ローゼンメイデンシリーズ】【紅】【RED GARDEN】 シリーズ構成◆花田十輝 【ローゼンメイデンシリーズ】【sola】 キャラクターデザイン◆菊池聡延 【ローゼンメイデンシリーズ:作画監督】 音響監督 ◆鶴岡陽太 【CLANNAD】【涼宮ハルヒの憂鬱】【らき☆すた】 アニメーション制作 ◆ノーマッド 【ローゼンメイデンシリーズ】【狂乱家族日記】 音楽制作 ◆flying DOG/JVCエンタテインメント 音楽 ◆土橋安騎夫、IVAN KRAL オープニング・テーマ◆『JUST TUNE』/savage genius エンディング・テーマ◆『ナガレボシ』/ROUND TABLE featuring Nino ホームページ 放送局◆TBS/BS-i 放送時期◆2008年秋 (C)ヤスダスズヒト・講談社/桜真町生活相談所
by ex_anime
| 2008-07-31 00:01
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