「二十面相の娘」ロングインタビュー! 後編!
チコ役 平野綾さん 二十面相役 内田夕夜さん ※20話までの収録を終えたお二人にお話を伺いました。 インタビュー前編は⇒こちら ●次に中盤の白髪鬼のエピソードですが、白髪鬼は女の情念をたぎらせて二十面相とチコに対峙してきましたね。 内田:二十面相個人を語る上で重要なエピソードになっていたと思います。それにしてもかなりの強敵でしたね(笑) ●私のまわりの反応で申し訳ありませんが、白髪鬼をあんなふうにしてしまった二十面相は、男性としていかがなものか?という意見もありましたよ(笑) 内田:はい…、それも二十面相の若さゆえというか…。(一同笑)すみません…失礼しました(笑) すこし真面目に話しますと、理想に燃えた若き二十面相は研究者としての使命感が強かったのだと思います。研究者として彼が生きたのもそういう時代でしたし。白髪鬼とは、まず「理想」の部分で意気投合したのでしょう。 二十面相の才能ゆえでしょうか、白髪鬼への気持ちも男性のそれではなく、研究所の若きリーダーとしての立ち振る舞いだったのかもしれませんね。 しかし、後に女性の部分が強くなってしまった白髪鬼と、そこで齟齬を生んでしまった、という感じでしょうか。 ●白髪鬼を誘惑とまではいかないまでも、時にやさしい言葉をかけていますが。 内田:「今日は口紅を塗っているね 似合うよ」という台詞があるのですが、そこは、自然な台詞のトーンにしようと思っていました。普段、口紅をしていない女性に対して、本当ならとてもデリケートな意味を持つ台詞ですが、必要以上に意味をもたせまいと。二十面相は最初から相手の愛情を引き出そうと、その台詞を口にしている訳ではないですし。それを前提にしてアフレコに臨みました。 ●艶っぽい台詞ではありますが、確かに二十面相のスマートさは出ていたと思います。 内田:そう思っていただけたら嬉しいですが。でもやはり二十面相も若かったのでしょうね(笑) ●このあたりのお話の流れですが平野さんの個人的な見解としては? 平野:女性ならあそこまで優しくされると…。それは好きになってしまうよねって(笑)、他の出演者さんとも話していたんです。いつもは尊敬しているおじさん(二十面相)ですが、その時ばかりは、ひどいよ!おじさんって(笑)思っちゃいました。すみません(笑)。 ![]() ●さて、後半の「二十面相の娘」のクライマックスとしては、ポール・エリュアールの「よき正義」、そして「水の第四形態」へと謎は続いていきますが。 実は、この「よき正義」の詩ですが、最初の「二十面相の娘」のポスターに印刷をしてあるんです。後半の謎を暗示するために。ご存知でしたか? 内田:ええ、そのエリュアールの詩の収録があった時に、ふっと…そういえば、もしかしたらあのポスターにデザインされてあるあの文字って?と平野さんと顔を見合わせてスタジオのロビーに貼ってあるポスターを見に行ったんですよ。 そしてポスターにこの詩を発見した時は本当にびっくりしました。「二十面相の娘」のポイントになる「謎」がこんなところにあったなんて、と。なんだか我々出演者もスタッフの周到な策略に「やられた!」という感じでした。 ●「二十面相の娘」の最大の謎、「水の第四形態」。これは世界を変えるほどの大きな力ですが。これについては。 平野:序盤の3話ですでに「水の第四形態」という言葉が出てきて…。原作を拝見していたので、ここで早くも「水の第四形態」が出てきた!って必要以上にドキドキしていたんですよ。「二十面相の娘」の「謎」に対しての伏線というか緻密さを感じました。後半に積み上げてきた謎がこの先どう決着を迎えるのか…とてもわくわくしています。 ●3話の港のシーンはもちろんですが、チコの目線の先に公園の噴水があったり、丘の上で遠くに海が見えたりと、実はポイントとなるようなシーンには「水」を配置しています。作品の「謎」はしっかりフェアに提示しようと考えていたんです。 内田:演じる側の我々もそれは感じていました。序盤から様々な形で暗示されてる「謎」に、見てくださっている方が気づいてくれると嬉しいですね。「水の第四形態」に関しては水が光になる…というのがすごく素敵な発想だと思いました。 ●さあ、いよいよ物語も終盤のクライマックスですが。 平野:実は私自身も、もう一度、作品を1話から見直しているところなんです。今回「二十面相の娘」に出演させていただいて、お芝居の正解というものがひとつではなく、限りなく沢山あるという事がよくわかりました。チコを最後まで演じきることで、私自身も何かをつかめるだろうなって…。集中して最後までを演じていきたいと思っています。 それにしても、ここ2話くらいのチコはずっと走ってばかりで…(笑)先日も自宅で台詞の練習をしていて、夢中になりすぎて酸欠になっちゃったんです。本番で倒れてしまったらどうしよう…ってちょっとあせりました。 内田:少し話題はそれますが…スタジオではノイズが出ないようにキャストは皆、スリッパを履いているんですが、平野さんは裸足でマイク前にいらっしゃる時があって(笑)。 収録の前には平野さんも普通にスリッパを履いてらっしゃるんですよ。それが本番でマイク前に行くと、なぜか裸足になっていらっしゃってて(一同笑)私はその平野さんの気合の入り方が大好きなんですが(笑) ●そうなんですか。平野さん、それはどうしてなんですか? 平野:つい本番前にスリッパをぬいでしまうんです(笑) う~ん…一言で言うと気合が入るんです。気のせいかもしれませんが台詞を言う時に踏ん張りも効くような…(笑) 内田:チコと似てますよね。集中するということに挑む姿勢が。 平野:でも、なんだか恥ずかしいです(笑)。 ●「二十面相の娘」はチコの成長物語でもあるのですが、しかし気がついてみるとチコの成長の早さが尋常ではありませんよね。時に二十面相をも飛び越してる時も…。 内田:確かにそうですね。終盤の話数で二十面相が教授に対して言う台詞があります。 『あなたと私の違いは未来を託せる人間がいるかどうかだ』というくだりですが。「二十面相の娘」という作品は、文字通り二十面相の娘たる少女が主人公なわけです。娘はいつしか大人を乗り越えていくものだと思います。 二十面相自身も未来を信じていて、その時々で同じ目的を持つ仲間に、理想を託してきました。 託した仲間が成長するのは二十面相にとっては本望なのだと思いますよ。 ●では最後に作品を楽しみにしてくださっているファンの皆さんにメッセージを 平野:すごくスケールの大きなクライマックスになりそうです。たくさんの謎が解決して二十面相とチコの新しい関係が築かれた時、チコがどれほどの成長をしているのか… 是非、一緒に見届けて下さると嬉しいです。どうぞ宜しくお願い致します。 内田:二十面相の台詞を引用してみますね。“未来を皆さんに託します。”どうぞ「二十面相の娘」のクライマックスを楽しみにしていて下さい。 テレビ作品という性質上、ストーリーには終わりがあるのですが、二十面相やチコが「遺す」であろう理想に終わりはありません。多くの皆さんにその「理想」を感じ取っていただけたら嬉しいです。最後まで宜しくお願い致します。 ●今日はいろいろなお話をありがとうございました。 平野・内田:はい、ありがとうございました! 平野:作品の大切なテーマに関わるお話も多かったので…少し緊張しちゃいました(笑) ![]() (C)小原愼司・メディアファクトリー/「二十面相の娘」製作委員会
by ex_anime
| 2008-09-12 13:52
| インタビュー
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